COVID-19 Solidarity Response Fund for WHO

WHOのための新型コロナウイルス感染症連帯対応基金

感染症の流行拡大につながりうる「インフォデミック」とは(前編)

2020/11/18

感染症の流行拡大の恐れにもなる、「インフォデミック」について、前編・後編の2回に分けてご紹介します。

「インフォデミック」―これはWHOにより使われ始めた造語で、正しい情報と不確かな情報が大量に混ざり合い、信頼できる情報源や知識が必要な時に見つけにくくなってしまう状態を指します。情報を意味する「インフォメーション」と、一定地域での感染症の流行を意味する「エピデミック」を合わせた言葉で、特定のトピックに関する情報量が急激に増大し、短期間で指数関数的な増加を見せることが特徴です。この現象自体は新しいものではありませんが、インターネットとSNSによって情報の拡散力が飛躍的に高まっている現代において、その規模と速度は従来の比ではなくなっています。

《参考》インフォデミックに関するWHOによるビデオ(日本語字幕版)

 
インフォデミックの状況下で発生するさまざまな不確かな情報の中でも、「ミスインフォメーション」は特に、受け手を騙すために意図的に作られた誤情報、もしくは不正確な情報を指します。ミスインフォメーションが拡散されて、それが人々の行動を変えると、人びとを危険に晒してしまう恐れもあります。それが世界的な公衆衛生の取り組みに関するものであれば、感染症の流行をさらに拡大させてしまう恐れもあります。

ではなぜインフォデミックによって感染症の流行が拡大してしまうのでしょう。
 

  • 必要な時に信頼できる情報を見つけることが難しくなる。
  • 溢れる大量の情報の根拠をしっかり分析する時間が必要になるため、重要な局面での迅速な意思決定が難しくなる。
  • 出版物における情報の質の管理や、行動や決定の根拠として使われる情報の質の管理が難しくなる。

 
インフォデミックが引き起こした実際の事故も全世界で相次いでいます。
 
アメリカでは、新型コロナウイルス感染症の治療薬としてヒドロキシクロロキンが有効だと聞いた男性が、クロロキンを含有した水槽浄化用の薬品を服用し死亡しました。イランでは、メチルアルコールでコロナが治ったというSNSの情報を信じた何百人もの人々が、メチルアルコールを飲用して死亡しました。イギリスでは、5Gの電波がコロナウイルスの発生と関連しているという噂がインターネットで流れ、5Gの基地局アンテナが次々と放火される事件がありました。

《世間に流布するミスインフォメーションをまとめたWHOによるサイト》
https://www.who.int/emergencies/diseases/novel-coronavirus-2019/advice-for-public/myth-busters

 
WHOのテドロス事務局長は、「我々はウイルスと闘っているだけではない。ミスインフォメーションを流布し、感染症対策を妨げるデマや陰謀論者とも闘っているのです」と語っています。
また、グテーレス国連事務総長も、ミスインフォーメーションの拡大は「さらに多くの人々を危険に陥れる毒のようなもの」だと話し、事実と科学的エビデンスに基づいてインフォデミックと闘うための国際的イニシアチブ「Verified✔︎✔︎」を立ち上げました。
 

WHOはまず、現在出回っているミスインフォメーションを検証し、さらにそれらに対応する科学的エビデンスに基づくガイダンスの作成を通じて、ミスインフォメーションに対処しようとしています。また、国連が立ち上げたイニシアチブ「ちょっと待って、シェアするまえに確認しよう(The Pause Campaign/ #TakeCareBeforeYouShare)」というキャンペーンでは、インターネットで特定のコンテンツをシェアするかどうか決めるまえに、情報元を確認する時間を取るように呼びかけています。

さらにWHOは、TikTok、Google、Viber、WhatsAppやYouTubeなど、50以上のIT企業やSNSプラットフォームと協働し、新型コロナに関する情報を検索した時に、WHOやその他の公的機関からの情報が必ず最初に表示されるようにしています。また、より予防的な取り組みとして、データ分析会社や国連グローバルパルスなどのイニシアチブと協働した取り組みも行っています。これについては、後半で詳しく解説します。

   
   

寄付を通じて、WHOによる取り組みを直接支援することができます
「WHOのための新型コロナウイルス感染症連帯対応基金」は、WHOによるこの感染症との闘いに民間の寄付を集めるため、米国の国連財団とスイス慈善財団がWHOの要請を受けて設置した基金です。これまでに各国の民間財団のネットワークを通じてグローバルな募金キャンペーンとなり、日本では日本国際交流センターが日本国内からのご寄付を受け入れています。企業や個人がWHOに寄付できる、国内唯一の寄付先です。皆様からの温かいご支援をお願いいたします。
 
・法人のご寄付はこちらから
・個人のご寄付(10万円以上)はこちらから
・個人のオンライン寄付はこちらから ※グローバル・サイトに移動します