2020/7/10
本基金の寄付金は、WHOの活動に加え、WHOが「新型コロナウイルス感染症戦略的準備・対応計画」 を実施するために不可欠だと判断するパートナー組織にも、WHOの要請を受けて配分されています。その時々の新型コロナウイルス感染症との闘いの状況に応じ、最も優先すべき分野とパートナーに資金が投入されています。
寄付金の資金配分は、保健上の優先順位と、WHOの新型コロナウイルス感染症戦略的準備・戦略対応計画、およびの更新版戦略に基づき、WHOの幹部が決定しています。
寄付金の使い道は以下の3つの柱に基づいています。
- 保健医療従事者用の個人防護具(PPE)やその他必須物資の調整および調達を含めた、グローバルおよび地域での対応の調整を確実に行う。
- 支援を最も必要とする、保健システムの脆弱な国々とコミュニティを支援する。
- 治療、検査、ワクチンに関する仕事のスピードを上げ、必要とするすべての人に提供できるようにする。
今回は、戦略の第1の柱に関連する成果をご報告します。
WHO戦略 第1の柱:
保健医療従事者用の個人防護具(PPE)やその他必須物資の調整および調達を含めた、グローバルおよび地域での対応の調整を確実に行う
新型コロナウイルスの流行により、個人防護具(PPE)や診断・バイオメディカル機器などの必須医療用品が急激に不足する事態が起こりました。これに対応して、国連は、WHOとWFP(国連世界食糧計画)の主導のもと、4月8日にサプライチェーンタスクフォースを設立し、各国に必須医療用品を調達・供給するための新型コロナウイルス感染症サプライチェーンシステム*を構築しました。
*詳細は成果レポート5月号(5~6ページ)をご参照ください。
世界中から本基金にお寄せいただいたご支援は、5月2日~31日の間に、4,320万ドルがWHOとパートナーに資金配分され、そのうちの2,000万ドルは、WFP(国連世界食糧計画)に配分されました。(*詳細は『5月の資金配分と活動の概要(成果レポート6月号より Vol. 1)』での報告をご覧ください。)
国境封鎖など物流システムが多大な影響を受ける中、保健医療・人道支援の現場も非常に厳しい状況に陥っています。WFPに配分された資金は、必須保健物資やその他人道支援物資を運搬するための物流システムの整備に活用されています。具体的には、物資運搬のための主要なハブ空港3か所とステージングエリア5か所を設定し、各ハブ空港に適正な人材と機材を配置することにより、運営体制を整え、世界各地でパンデミックと闘うパートナーたちを支援しています。この物流システムは、WHOとWFPが共同議長を務める新型コロナウイルス感染症サプライチェーン・タスクフォースが統括しています。

国連世界食糧計画(WFP)が契約するボーイング757型機による、ベルギー・リエージュにあるハブ空港からの物資輸送の様子。ユニセフと赤十字国際委員会の依頼で、ブルキナファソとガーナに16平方メートル分の個人防護具(PPE)を運搬。
写真クレジット: Pixel Prod/WFP
2020年5月だけで、およそ1,700立方メートル分の新型コロナウイルス対策関連物資がこの物流システムのハブ空港から出発し、国連機関や非営利組織、国際赤十字などを含む、計14団体に医療用PPE(全貨物の40%)や人工呼吸器、薬や体温計、その他病院で使用する機材などを届けました。物資の運搬は空路だけではなく、可能なところでは陸路や海路も運行しています。
WFPは現在までに9,000平方メートル分の物資運搬依頼を43団体から受けており、さらにWHOの新型コロナウイルス対策関連物資調達ポータルにおいても、59ヶ国から188の依頼を受けており、今後も急速なニーズ増が見込まれています。本基金の寄付により整備されたWFPの物流システムは、これらの依頼の大部分における物資運搬に対応することが期待されています。
関連リンク
・成果レポート6月号(英)
・成果レポート5月号(和・英)
・5月の資金配分と活動の概要(成果レポート6月号より Vol. 1)
・ご寄付の活用状況に関する最新レポート(2020年5月25日配信)
・WHO「新型コロナウイルス感染症戦略的準備・対応計画」更新版
・新型コロナウイルス感染症サプライチェーンシステム
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